Update 2001/10/02

青色申告はお得です。


開業すれば、必ず儲かるとは限りません。赤字になることもあります。

個人で年の途中で開業する場合(例えば、平成13年3月から開業した場合)直ぐに(2ヶ月以内に)、「確定申告は青色申告でします。」と管轄の税務署に届け出ましょう。
届出用紙は税務署にあります。

例えば、開業の年に300万円の赤字になり、翌年、500万円の黒字となったとします。
(個人の所得には、他にいろいろあります。「青色申告はお得です。」では、単純に事業所得しかない個人を想定して述べています。)

青色申告の届け出をしていない場合(白色申告)では、開業年は赤字300万円ですから、申告所得はゼロとなります。
その翌年の申告所得は500万円となります

青色申告では、開業年は赤字300万円ですから、申告所得はゼロとなります。これは白色申告と同じです。
 ただし、その翌年の申告所得は200万円となり、白色申告と違ってきます。 つまり、青色申告では、翌年の黒字500万円ー開業年の赤字300万円=翌年の申告所得200万円となります。

もう少し詳しく説明しましょう。
例示Tのように、平成13年に1,000万円の赤字を出し、平成14年,15年、16年と下図のように黒字になったとします。
 平成13年の赤字は三年間繰り越されて、平成14,15、16年の黒字と相殺されます。ただし、平成13年に確定申告期限内に青色申告書を提出していることが必要です。
例示T
決算年度 所得 申告所得 欠損金残高
平成13年 △ 1,000 0 △ 1,000
平成14年 400 0 △ 600
平成15年 300 0 △ 300
平成16年 500 200 0
平成17年 300 300 0

平成13年の赤字が青色申告により三年間繰り越されるという意味はどういうことなのか例示します。
例示U
決算年度 所得 申告所得 欠損金残高
平成13年 △ 1,000 0 △ 1,000
平成14年 200 0 △ 800
平成15年 300 0 △ 500
平成16年 400 0 △ 100
平成17年 300 300 0
上図で平成14年から16年までの所得合計は900万円です。
平成16年の所得400万円を平成13年の赤字と相殺しても、100万円まだ赤字が残りますが、赤字は三年間しか繰り越せませんので、平成17年所得から残った赤字100万円を相殺することは出来ません。

今まで平成13年に赤字になり、平成14年以降黒字と想定していますが、平成14年にも赤字100万円出したとします。少し難しくなりますが、以下の説明を気楽に眺めてください。
例示V
決算年度 所得 申告所得 平成13年欠損金 平成14年欠損金
平成13年 △ 1,000 0 △ 1,000 0
平成14年 △400 0 △1,000 △400
平成15年 800 0 △ 200 △400
平成16年 200 0 0 △400
平成17年 700 300 0 0
欠損金(赤字)は発生年度ごとに把握し、発生年度以降の黒字と相殺されますが、相殺される欠損金は発生年度の古い順に行われます。

欠損金の繰越控除は税法上極めて有利な制度であり、この制度をうまく利用することが必要です。

そのためには、まず青色申告の届出をする必要があります。

個人の青色申告届出
個人開業の時期 提出先 提出書類 提出期限 根拠法令
以前より白色申告をしている方で今年から青色申告する場合 税務署 青色申告承認
申請書兼
青色専従者給与
に関する届出
3月15日 所法144
今年の1月15日以前に開業した場合 税務署 青色申告承認
申請書兼
青色専従者給与
に関する届出
3月15日 所法144
今年の1月16日以後に開業した場合 税務署 青色申告承認
申請書兼
青色専従者給与
に関する届出
業務を開始した日から2ヶ月以内 所法144